優しさ12mg

筆達者の口下手がお送りする若干のキモさを孕んだ日常の記録

浅野いにお著「うみべの女の子」

f:id:akemi_0615:20171228155150p:plain浅野いにおの漫画は「虹ヶ原ホログラフ」が最強と声高に主張しがちな私ちゃんだけど、「うみべの女の子」を今日再読したら最強の座が揺らいできた。

初めて読んだ時から圧倒されっぱなしだったけど、今読んでもやっぱり圧倒されちゃったよね。

 

あんまり語ると痛い奴と思われるというのは重々承知だがあえて語る。

浅野いにお作品の何がすごいって、作品ごとに最後に残るものが違うのに、強烈な一貫した個性があるところだよね。

私は浅野いにおの作品から感じる引き込まれる感じ、先述の一貫した個性を「いにお感」と呼んでいる。

いにお感は受け付けない人はまったく受け付けないから、この人の作品は勧める人を選ばなければいけないという印象。

実際無知な若い頃友達に浅野いにお作品をオススメしてドン引きされたことがある。

 

さて、「うみべの女の子」の話に入ろう。

あらすじをざっくり。

海辺の町に住む小梅は少々面食いな14歳の女の子。そんな小梅に思いを寄せる同級生の磯辺。二人が身体を重ねたことから始まる。

身体を重ね親密さが増していくどころか逆に心の距離は広がっていく。

そんな14歳の青春を生々しい切り口から描いた物語だよぉ。

 

ネタバレは極力避けた感想にしたいから抽象的に書かせていただく。

 

人には誰しもつらい時期って言うのが訪れる。

それは人を成長させるし、新しい視野を与えたりもする。

 

磯辺のつらい出来事っていうのは中々誰もが体験することじゃないし、14歳の磯辺には荷が重過ぎることだったように思う。

だから磯辺は登場人物の誰よりも考えを深めていたし、またその分捻くれた感性を育てていた。

そんな磯辺に関わった小梅も、磯辺に翻弄され、時には磯辺を翻弄し、成長していく。

それは脇役の鹿島だってそうだった。

 

結局のところ、どれだけ他人を見下したり羨んだりしても、各々の体験は確実に人を成長させていくんだ。そんなことを思った。

 

誰かにバカだと見下される人間だって、見下して憂いてる人間だって、いつどこで何が起こって変わっていくかわからない。

磯辺や小梅、鹿島が成長する機会は、たまたまこの時だったのだ。

変わることがいい事なのか悪い事なのかなんて、見る人によって違うからわからない。

自分がベターでいられるところに落ち着けたこの登場人物達は幸せな方だったと思う。

 

そうして、日常を続けていくんだなと。

これは長い人生の中の一部を切り取った物語に過ぎないという感覚を与えるリアルな描写は流石だと思う。

 

いい本だった。

本当に抽象的な感想ですまんね。

 

一応アマゾンのリンク貼っておくけん。

 

うみべの女の子1 浅野いにお

 

よかったら。

 

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