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優しさ12mg

筆達者の口下手がお送りする若干のキモさを孕んだ日常の記録

映画「凶悪」ネタバレ感想

やあやあ。

年末にとんでもない映画見ちゃったよ。

その名も「凶悪」。

主なキャストは山田孝之ピエール瀧リリー・フランキー

ジャーナリストの藤井修一(山田孝之)は死刑囚で元暴力団幹部の須藤純次(ピエール瀧)に数年前須藤が起こした暴力団内部での殺人事件の取材に行く。

そこで須藤は「先生」と呼ばれる不動産ブローカーの男、木村孝雄(リリー・フランキー)が首謀した事件と自分の余罪を藤井に告白し始める。

その事件に興味を持った藤井はどんどん取材、調査にのめりこんでいって、明かされたのはとんでもない事件の数々で……って感じの内容。

最初は点と点を小出しにしていく感じの内容で、藤井の取材がメイン。

ところがどっこいそれが40分くらい見てたらつながり始めて、とうとう藤井が木村の事務所にたどり着いたときに明かされた内容は、凄まじいものがあった。

木村は、闇金まがいのことをしては返済能力が無くなった人々を殺して保険金を貰う、保険金殺人の首謀者だった。

それを手伝っていたのが、死刑囚になった須藤とその仲間。

彼らは何度も殺人しては証拠を隠滅し、保険金を貰う。

その中で須藤の暴力団の仲間達の間に亀裂が生じ、須藤は仲間の家族に乱暴して、家を放火して殺してしまう。

須藤はその一件で逮捕され死刑囚になったわけだが、信頼していた木村に裏切られたという気持ちから復讐心が芽生える。

それで藤井への告発に繋がったわけだ。

中でも一番印象に残っているのは、小さな電気屋を営む牛場家族のエピソード。

父親が電気屋を続ける為に抱えた借金を返済する為に、息子夫婦と母親は木村に持ちかけられた父親の保険金殺人を承諾する。

牛場家族は木村の事務所に体の悪い父親を連れて行き、ここで働いて少しずつ借金を返すんだよと言い、父親を手放した。

木村たちによる、牛場に酒をしこたま飲ませ、自殺したと見せかける殺人が始まった。

「もう飲めない」と言う牛場に強制的に酒を飲ませる。

行為はエスカレートしていき、牛場の酒に覚醒剤と思しき粉末を混ぜたり、酒が入った牛場にスタンガンで電気ショックを与えたりし始める。

そのときの木村と須藤の楽しそうな興奮した表情がたまらなく不気味で、鳥肌が立った。

最終的にはアルコール90度を越える酒を牛場に飲ませ、彼は息絶える。

その後のやりきった静寂も、不気味。

この事件を藤井が公にし、木村と須藤は法廷に上がることになる。

生きて罪を償いたいという須藤に藤井は「死んで償うべきだ」と反論。

結果須藤は反省していると見られ刑が軽くなり懲役20年になったわけだが、藤井は納得がいかない。

首謀者の木村は無期懲役

藤井はやっぱり納得がいかない。

この事件を追い続けて必ず二人を死刑にしようと躍起になり始める藤井にも、どこか不気味な雰囲気が漂い始める。

そこで最後に面会を承諾した木村が、藤井に言うのだ。

「俺を本当に殺したいのは、死んでいった奴らではない。恐らく須藤でもない……」

トントン、と面会室の透明なアクリルを叩く木村。

そこでこの映画は終わる。

本当に凶悪なのは誰?

殺人を首謀して金を儲けた木村。

殺人に加担して何人もの遺体を遺棄した須藤。

興味本位で事件に首を突っ込んで正義感を抱き、二人を殺したい藤井。

正義って何?

罪を償うって何?

大切なのは死者の魂か。

大切なのは生きている人間か。

よく見かける気もするけどあんまり見ない問題提起作品だったな……。

またまた俳優さんたちが演技すっげぇから三人とも凶悪に見えるんだよなぁ。

何が凶悪で何が正義なのか、ちょっと考えちゃうよね。

「親に貰った土地を持て余して借金抱えた老人はごまんといる。世間は不景気かも知れないけど、僕達はバブルなんだよ」

この木村の台詞(一言一句同じとはいえない)がすごい怖かった。

私もさ、今までの人生の中で少しでも浮ついた気持ちを持ったりしてたらこういう世界と交わる機会があったかも知れない。

実際今障害年金でギリギリの生活してるから、なんかこの映画は特に骨身に染みたって言うか……。

真面目に生きるわ。社会に守られる立場であり続けたいって思うよ。

裁かれる立場になりたくないって意味だよ。

まぁ見てみないとわかんない内容だと思うよ。

おまけに私の文章力が無いから藤井の家族のことまで触れられてないし。

主演3人の演技、もんのすごいから見たほうがいい。

ただしR15+エログロ注意。

社会の為にという名目で二人に恨みを持ち、二人が死んで償うことを望む藤井。

世間の人は藤井の価値観に寄りがちだと思うんだけど(他2人に寄ってたらヤバいけど)これは本当に正義って呼べるのかな。

死者は何も語らない。

結局殺人を裁けるのは、法のみなんだよなぁ。

あぁぁ~私のようなアリンコ脳味噌には難しい映画だったんじゃ~。

面白かったけど~。

などという味気ない答えが出たところで、そろそろ駄文を終いにするか~。